今回はクドカンこと宮藤官九郎脚本のドラマをご紹介します。
クドカンのドラマはどれも人気が高く、これを読んでいる方もご存知のドラマが多いかもしれません。
ですから、ドラマの概要のご紹介はするのですが、そのおすすめのドラマにクドカンがどんな思いを持っていたかであったり、そのドラマにまつわるエピソードなども交えたりしてご紹介していきます。
[ad#ad4]クドカンこと宮藤官九郎とは？
あらためてですが、宮藤官九郎について最初に触れておきます。
宮藤官九郎、クドカンは言わずと知れた脚本家ですが、その他にも作詞、作曲、放送作家、俳優など様々な方面で活躍しています。
出身は、宮城県栗原市で、幼少のころから作文のコンクールなどで常に賞を受賞するような子供でした。
この頃から才能の片鱗を見せていたのですね。
ドラマおすすめクドカン編その１『木更津キャッツアイ』
2002年に放送されたドラマです。
木更津の草野球チーム「木更津キャッツ」のドタバタ劇なのですが、草野球の話だけではなくて、登場人物の周りで巻き起こる様々な騒動を、時には若干非合法的なやり方で解決していく姿を描いています。
そして、その野球以外の活躍の時には「木更津キャッツアイ」と名乗るのですが、このネーミングに思わず笑いがこぼれてしまいます。
わからない人の為にちょっと解説すると、「キャッツアイ」という全く別のアニメがあり、こちらの話は、喫茶店「キャッツアイ」を営みつつ、絵画や美術品を狙う女怪盗として活躍する美人3姉妹の話なのです。ネーミングに抜群のセンスの良さを感じてしまいます。
さて、このドラマでは木更津は「陸の孤島」のイメージで描かれています。
思いっきり田舎でもない、都会にも行こうと思えば割と簡単に行ける場所、でも「都会」ではなく「大都市周辺部」の括りに入る、そんな木更津に留まってしまった登場人物のさまざまに鬱屈した思いを描いているところでしょう。
クドカンのドラマには、ヒーローや立派な人はあまりでてきません。
それよりは、木更津キャッツアイに出てくる登場人物のように、生きる目的も方向性も明確に持っていない、普通の人をコミカルに描いているところが、共感を呼ぶ秘訣かもしれません。
クドカン自身も、あまりにもイメージが明確な俳優、女優よりは何かまだ100%伝えきっていないような部分を持つ俳優、女優の方が好みのようです。
このドラマは、役者陣も魅力です。ジャニーズからは嵐の桜井翔、V6の岡田准一が出演しています。そうかと思えば薬師丸ひろ子のような大女優も出演しています。
ドラマおすすめクドカン編その２『タイガー＆ドラゴン』
2005年に放送されたドラマです。
山崎虎児はヤクザの道に生きる男で、それまでのつらい境遇から笑いとは無縁の人生を送っていました。
そんな彼が、林家亭どん兵衛の落語を聞いてすっかり感動し、笑いに目覚め、林家亭どん兵衛に弟子入りしようとします。
そんなどん兵衛は、実は虎児が所属する新宿流星会に400万の借金をしています。
そこで、虎児童は自分に噺を教えてくれたら、授業料として20万円払うから、その20万円を借金の返済に充てればいいと言います。
師匠と弟子、そこにヤクザへの借金返済が絡むという、奇妙な関係が成り立つのですが、そこで虎児の落語修業は始まります。そんな落語修業の中で、虎児はどん兵衛の次男で、落語の才能があるにも関わらず、売れない洋服店を営む谷中竜二と出会うことになります。
高座とドラマの進行をリンクさせるような、おもしろい試みがされているところも魅力ですが、何と言っても役者陣の評価が抜群に高いドラマです。
虎児はTOKIOの長瀬智也、どん兵衛は西田敏行、竜二はV6の岡田准一が演じています。長瀬智也や岡田准一は、このドラマを通じて、大きく成長したと言われています。
ドラマおすすめクドカン編その３『あまちゃん』
2013年に、NHKで放送されたドラマです。
女子高生アキが、夏休みに母の実家がある北三陸に行ったのを機に、海女を目指す第1部と、ひょんなことから人気者になり、東北から全国に向けたアイドルを目指すアキの姿を描く第2部があります。
このドラマの魅力は本当にいっぱいありますが、その中から一つ挙げてご紹介するとすれば、アキの生きる姿でしょう。
アキは海女を目指したり、アイドルを目指したりするのですが、それは最初からアキが目指していたものではありません。
どちらかと言えば、周りの環境から刺激を受けて、海女やアイドルを目指すのです。
クドカンが描くドラマでは、こうした「振り回され感」のある登場人物が魅力的に描かれているのですが、あまちゃんもそうしたドラマの一つであると言えるでしょう。
クドカンは中学時代、おニャン子クラブの河合その子が好きだったのですが、どの辺が好きだったのかというと「やらされている感」が好きだったということです。
ちなみにアキの母親役で出演している小泉今日子も中学、高校時代とファンだったということです。
1980年代がリアルに、当時そのままに描かれているのももう一つの魅力です。こ
のドラマでは、アキの母親時代が描かれるのですが、本当に1980年代そのものです。
昨今、芸人やコマーシャルなどで1980年代が取り上げられることがしばしばありますが、このドラマで描かれている80年代が本物です。
これに関連して、あまちゃんの中で流れた曲をまとめたCDがあるので、こちらもご紹介します。
◇春子の部屋~あまちゃん 80’s HITS~ビクター編
◇春子の部屋~あまちゃん 80’s HITS~ソニーミュージック編
もう一つ、ドラマの魅力というか価値としては、震災を通じた東北の姿を描いていることです。
もともと自然に向き合って生活してきた人たちの、大変なことはあったけれども、それでも以前と変わらず自然に向き合って生活していこうとする姿を、真摯に向き合って描いたところは非常に価値があるといえるでしょう。
[ad#ad5]ドラマおすすめクドカン編その４『吾輩は主婦である』
クドカン作品では珍しい、昼ドラです。クドカンが大ファンだった斉藤由貴が主演です。
夫が会社を辞めてしまい、家計のやりくりに困った主婦が、やりくりに没頭しているうちに千円札の夏目漱石が乗り移るなど、奇想天外な展開のあるドラマです。
昼ドラのイメージにありがちな、どろどろとした確執といった要素が一切なく、昼ドラに新しい世界を作り出した傑作です。
ドラマ終了後は、「あまロス」のようになってしまった人も多かったとか。
ドラマおすすめクドカン編まとめ
クドカンは「当たり前」という言葉が嫌いです。
当たり前という言葉のもと、余計なものはショートカットしたり、切り捨ててしまったりしがちですが、そこを立ち止まってもう一度見直しているところがクドカン作品の魅力と言えるでしょう。
是非皆様も今一度素晴らしい作品をチェックして頂けたら嬉しいです。
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