好きな俳優や女優が出演するから、そのドラマを見る、という考え方から、近年、脚本家によって見るか見ないか決める、という時代に変わってきました。
要は、脚本が面白くなければ、容赦なく見ないということです。
ドラマ界において脚本は重要な位置付けとなってきていて、脚本ファーストでドラマが進むことも珍しくありません。
今回はそんな脚本家にスポットを当てて、独断と偏見で面白い脚本を書く脚本家をランキング形式でご紹介します。
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ドラマ脚本家ランキング第5位「岡田恵和」
(プロフィール)
1959年2月11日生れ
東京都三鷹市出身
和光大学人文学科中退
青山のシナリオ・センターでシナリオを学んだ。
(代表作)
・白鳥麗子でございます(1993年)
・若者のすべて(1994年)
・ビーチボーイズ(1997年)
・君の手がささやいている(1997年)
・ちゅらさん(2001年)
・アルジャーノンに花束を(2002年)
・めぞん一刻(2007年)
・最後から二番目の恋(2012年)
・ひよっこ(2017年)
(結婚について)
奥様は「岡田めぐみ」さんという方で、自宅で中国料理教室「チャイナサロン」を経営されています。
調理師・食育インストラクター・国際薬膳食育士3級の資格をお持ちです。
二人の息子さんがいて、長男は海都さん、次男は広海さんという名前だそうです。
(岡田恵和のドラマの名言・名台詞)
「ほら、映画やアニメだったら、幸せに暮らしました、はい、ハッピーエンドって終われるけどさ、人はハッピーエンドの後も生き続けなくちゃならないから。大変なのはハッピーエンドの後なのにね。(泣くな、はらちゃんより)
「世界を嘆くのではなく世界を信じるんだ。私だってその世界の一員なのだから。48歳の若造は今、そんな風に思う。人生とは自分の未来に恋すること。一人でするのがつまらなければ誰かと一緒に未来に恋をしよう。(最後から二番目の恋)
(岡田恵和さんの作品の傾向)
岡田恵和さんの過去の作品から見て、岡田恵和さんの傾向は「ほのぼの」が基本になっているな、と思います。
悪い奴が出てきたり、誰かが死ぬという展開がほぼありません。
それは一つ間違えば刺激のない起伏のないドラマ展開とも言えますが、そこが岡田恵和さんの脚本の味なのだと思います。
ドラマ脚本家ランキング第4位「遊川和彦」
(プロフィール)
1955年10月24日生れ
東京都出身で広島県大竹市育ち
修道高等学校、広島大学政経学部卒業
(代表作)
・ママハハ・ブギ(1989年)
・予備校ブギ(1990年)
・ADブギ(1991年)
・GTO(1998年)
・魔女の条件(1999年)
・オヤジぃ。(2000年)
・家政婦のミタ(2011年)
・純と愛(2012年)
・過保護のカホコ(2017年)
(結婚について)
2014年末に遊川和彦さんより20歳年下の一般女性と結婚しています。
遊川和彦さんは59歳で初婚。
14年間の交際を経てゴールインしました。
ちなみに遊川和彦さんのお姉さんは、女優の柳谷ユカさんです。
(遊川和彦のドラマの名言・名台詞)
「ここにくる子供たちは、みんな独りぼっちなんでしょ。だったら教えてあげたらいいじゃない。
独りぼっちが集まったら、もう独りぼっちじゃないんだよって」(偽装の夫婦より)
「2つの選択肢があって、どっちも選びたくないときは、3つ目を自分で作るってことか」(曲げられない女より)
(遊川和彦さんの作品の傾向)
遊川和彦さんの手法としては、伝えたいことをドラマの最後で役者に語らせる傾向にあります。
それについては賛否両論ありますが、それだったら本で読んだほうが分かりやすい、といった声もあります。
そして、唐突に内容が変わり過ぎる傾向があり、最後は個々で考えて下さい、といったスタイルには脚本家としては稚拙に感じる時があります。
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ドラマ脚本家ランキング第3位「奥寺佐渡子」
(プロフィール)
1966年生れ
岩手県出身
東海大学文学部卒業
大学当時に書いた脚本がディレクターズ・カンパニーの公募に受かって相米慎二監督から連絡されたが、卒業後は石油会社で働きながら、深夜番組の台本を副業で書いていた。
(代表作)
・八日目の蝉(映画)(2011年)
・夜行観覧車(2013年)
・Nのために(2014年)
・リバース(2017年)
(奥寺佐渡子のドラマの名言・名台詞)
「友だちは数じゃない。たったひとり、自分を理解してくれる誰かがいれば、それでいい」(リバースより)
「自分のために生きているうちは、所詮、自分を越えることはできないんだよ」(Nのためにより)
(原作・湊かなえさんへの想い)
同じ湊さんの作品といっても「夜行観覧車」では家族、「Nのために」では愛、「リバース」では友情と、浮かび上がってくるのが異なります。
作品ごとに新たな気持ちで向き合えるのは、湊さんの原作が持つ多彩さや、引き出しの多さのおかげです。また、映像化したときに、よりドラマチックになる要素がたくさん秘められている原作なので、脚本家としてはぞくぞくするようなやりがいがありました。
(奥寺佐渡子さんの傾向)
奥寺佐渡子さんは湊かなえさん原作の脚本を多く手掛けていることから、湊かなえさんが原作で伝えたかったことを、ドラマの世界で意外な手法で描いていると思います。
原作も十分楽しいのですが、ドラマでのキャスティングや、ドラマならではの展開も決して原作を潰していない、逆に新鮮さを演出しています。
(奥寺佐渡子さんの評価)
・「Nのために」は原作のモヤモヤした感じを綺麗に美しく実写化したドラマスタッフが本当に凄いと思う。一番好きなドラマだし、奥寺佐渡子さんの脚本が抜群に良かった。
・お茶の間、今観ても何ら遜色ない。奥寺佐渡子って昔からスゲェ人だったんだな。
ドラマ脚本家ランキング第2位「古沢良太」
(プロフィール)
1973年8月6日生れ
神奈川県厚木市出身
東海大学文学部日本文学科卒業
2002年に「第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」を受賞してデビュー
(代表作)
・ALWAYS 三丁目の夕日(映画)(2005年)
・相棒シリーズ(2005年~2014年)
・鈴木先生(2011年)
・リーガル・ハイ(2012年)
・デート~恋とはどんなものかしら~(2015年)
・コンフィデンスマンJP(2018年)
(結婚について)
古沢良太さんは結婚して2人のお子さんもいらっしゃるようです。
奥さんの趣味が「ピンクの部屋」らしく、古沢良太さんも家にいる時は、周りがピンクの中で仕事をしているそうです。
(古沢良太のドラマの名言・名台詞)
「涙があふれる理由は・・・たぶん、その答えは、きみがホントにしたいことは、結婚じゃなくて、恋だからです。ぼくと結婚するってことは、もう一生恋をすることはないってことだから。だから泣いているんです」(デート~恋とはどんなものかしら~より)
「君に金がない理由を教えてやろうか?君に金がないのは、君がひたすら金だけを愛さないからさ。金というものはね、浮気者には身を任せないものだよ。」(コンフィデンスマンJPより)
(古沢良太が考える「本当の名台詞」の条件)
僕は名台詞なんて書けない人だし、”ザ・名台詞”みたいなものは得意ではないと思っています。
だから「名台詞が多い」と言われても正直ピンと来ないし、「名台詞なんて僕は書いてない」と思っちゃうんですよね。
僕は脚本では、名台詞を書くことではなく、人物を面白くすること、魅力的にすることを一番に考えて書いているつもりです。
名台詞と感じてもらえるものがあるとしたら、発した言葉が魅力的なのではなく、そういう言葉を発するその人が魅力的なんだと思うし、そういう人物を作りたいと思っています。
(古沢良太さんの作品の傾向)
外側から見た古沢良太さんの脚本の傾向は、日常の会話の中で人間の複雑な心理を描いたり、複数の登場人物の言動をロジカルに構成したりすることだと思います。
古沢良太さんの作品はとにかくテンポがいいです。
そのテンポが観ている人には心地よく響いてくるのです。
そして何と言っても主人公が魅力的!
周りを固める脇役も徹底したキャラで、主人公を引き立てています。
ドラマ脚本家ランキング第1位「宮藤官九郎」
(プロフィール)
1970年7月19日生れ
宮城県栗原市出身
日本大学芸術学部放送学科中退
俳優活動やロックバンド活動もしています。
(代表作)
・池袋ウエストゲートパーク(2000年)
・木更津キャッツアイ(2002年)
・タイガー&ドラゴン(2005年)
・流星の絆(2008年)
・あまちゃん(2013年)
・ゆとりですがなにか(2016年)
・監獄のお姫さま(2017年)
(結婚について)
宮藤官九郎さんの奥さんは振付師の八反田リコさんです。
八反田リコさんは、宮藤官九郎さんが大学生の時に観劇しはじめた「大人計画」に所属しており、その縁で知り合ったのだそうです。
(宮藤官九郎のドラマの名言・名台詞)
「ゲームで言ったら、レベルアップしないで、何回も何回も同じこと繰り返しているわけじゃん。
余裕でクリアできるステージを。無理だわー、無いわー、その才能」(ゆとりですがなにかより)
「好きにならなきゃ好きな理由は分からない」(ごめんね青春より)
「図々しいんですよ、犯罪者って。時間巻き戻せると思ってるんです。刑務所のことタイムマシンかなんかだと思ってるんです。
出てきたら犯した罪までチャラになると思ってるんです。だから2度3度同じ罪を犯すんです。」(監獄のお姫さまより)
(宮藤官九郎さんの作品の傾向)
原作がないほうが、宮藤官九郎さんの脚本は生きてきます。
とにかく、細かい設定にまで気を配り、脇役の方にまで完璧を求めるところがあります。
そして宮藤官九郎さんにはやんちゃなシーンも多く出て来ます。
それは、10代の頃にやりたかったこと、表現したいと思ったことを、そのままやっている、忘れようがない、と言っていることから純粋な心のままのセリフになるのでしょう。
それが、多くの人の心に響くのです。
まとめ
個人的な好き嫌いで、面白いと思う脚本家のランキングなんて、失礼なことをしてしまいましたが、やはり、売れている脚本家さんってそれぞれの色がついていながらも、新しい色を創り出す天才なのだと思います。
この脚本なら100%面白い!
これが1%でも99%でもダメなんです。
脚本次第で視聴者の意思や気持ちを変えてしまうことがあるくらい、脚本って実は人の心にずけずけ入ってきます。
そのツボに入ってしまえば、ドラマの見方も大きく変わります。
また違った角度からの新人脚本家が出てくることを期待しつつも、ベテランさんにも新しいカタチをもっと追及して欲しいと期待しています。
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